2015.05.31 (Sun)

2014/15シーズンのグラートバッハを振り返る

 2014/15シーズンのブンデスリーガ全日程が終了しました。そしてグラートバッハが参戦したEL、DFBポカールも優勝チームが決まりました。グラートバッハの成績を簡単にまとめると以下の通りとなります。

 リーグ戦:19勝6敗9分(勝点66) 3位
 EL: 決勝トーナメント1回戦敗退
 DFBポカールは準々決勝敗退

 期待を上回る見事な成績を残したと思います。時にリーグ戦の3位は期待以上でした。リーグ戦後半の17試合で順位をつけるならバイエルンやヴォルフスブルクを凌いでいるのです。これは立派です。またELは決勝トーナメントへ進出し、1回戦でセヴィージャに敗れたもののホーム、アウェイも内容では明らかに上回っており相手のカウンターの速さだけに屈したと言えるものでした。そしてELは結局そのセビージャが優勝を決めており、これはグラートバッハの力がヨーロッパのトップクラスに劣るものではないことを示したと言えるでしょう。DFBポカールは3部のビーレフェルトにPKで敗れましたがこれは勢いに乗る相手と最悪のピッチコンディションでの慣れないアウェイゲームということでこのくらいは大目に見たいと思います。では今季(正確に言えばこの数シーズンにわたって)何が良かったのかあくまでも私の視点で振り返っておきます。

1. 戦術面

 今季はファヴレ監督の目指すスタイルがほぼ完成形に近づいているように思えます。しっかりした守備をベースにしつつ両サイドハーフと2トップは試合の中で流動的に動き適度な距離感を保ちつつ常に相手守備の間のスペースを狙います。グラートバッハにはいわゆる典型的なストライカーはいません。2トップで起用されることの多いラファエルは中盤に下がって攻撃のリズムを作る役目を果たしクルーゼはサイドアタッカーとしての役目もこなします。このスタイルには個々の選手の連動性が要求されますが、これは1シーズンだけで構築されたものではなく数シーズンかけて作り上げてきたものなのです。そこには以下の2つのポイントをあげる必要があります。

(1) 選手補強の一貫性

 長期的な視野に立ちファヴレ監督の目指すサッカーを具現できる選手をしっかりと獲得できてきたことが大きいと思います。ファヴレ監督就任以降の新加入選手で外れだったのはデヨングだけではないでしょうか。当初は外れと評価されても仕方のない印象だったシャカは今ではチームに欠かせない中心選手になりました。因みにシャカの成長はクラマーの獲得と無関係ではないと思います。お互いが良い関係を保ちカバーしあうことで個々の持ち味を発揮しやすい状況が生まれたのだと思います。このような選手の補強はファヴレの目指すサッカーを熟知するマックス・エバールSDの手腕による部分も大きいですが、要するにフロントと現場が一体となっていないと難しいと思います。

(2) 選手の能力に合わせた戦術の進化

 ファヴレの戦術にあった選手を獲得してきたわけですが、一度にすべての選手を補強できるわけではありません。そんな状況でファヴレ監督はその時点での選手の能力、特徴を生かしたサッカーで勝利を重ね自信をつけていたと思います。具体的に言えば、就任直後は当時崩壊していた守備を立て直しロイスのスピードを生かしたカウンターを武器とするサッカーを展開。そしてその後は中盤でのワンタッチパスを使い攻守の切り替えの早さを武器とするサッカー、そしてラファエルやクルーゼのようにボールをキープできる選手を獲得してからはポゼッションもできるようになるなど少しずつ幅を広げてきました。その結果、相手の戦術に応じて戦い方を変えることができるようになり、特定チームを苦手にすることもなくなってきました。
 そしてもう一つは試合の中での選手たちの精神面での成長です。ファヴレ監督がプレスカンファレンスでたびたび「我慢が必要」と話していましたが、それを実践できたと思います。典型的なのがホームでのケルン戦。スコアレスドロー狙いで引きこもる相手に対してバランスを崩して無理に攻めてカウンターをくらい失点するというパターンをこれまで何度も見てきましたが、今季は辛抱強く攻撃を組み立て相手を揺さぶり終了直前にゴールを決めて勝ち切ることができるようになりました。勝利を積み重ねてきたことによる自信をベースに強いチームの勝ち方を身につけたと言えるでしょう。 

2. 選手の起用

 2012/13シーズンのEL参戦では必ずしもうまくローテーションをできていなかった印象が残りましたが、今季は素晴らしかったと思います。選手の体調、モチベーションをうまく管理しながら戦力を落とさずに戦い抜くことができました。それができたのは以下の2つの要因によると思います。

(1) ポリヴァレント

 グラートバッハはCLやELの常連クラブに比べると選手層は薄いほうだと思います。しかし、複数ポジションを力を落とすことなくこなせるポリヴァレントな選手を揃えているという強みがあります。この「ポリヴァレント」という言葉もファヴレを語る上で欠かすことのできない言葉です。特に選手層が多くないDFはドミンゲスやヤンチュケがSBとCBを兼任。激戦となったSHもほとんどの選手が左右どちらでもプレーできると言う強みがあり、怪我や出場停止が出ても穴埋めができ、ローテーションも柔軟に行うことができたのです。ちなみにヤンチュケは右SBの他、CB、ボランチも無難にこなす真のディフェンシブ・オールラウンダーです。個々のプレーには派手さはないのですがチームへの貢献度の高さは計り知れないものがあります。もっと評価されてよい選手です。私がチームの中で今季のMVPを選ぶならヤンチュケになります。

(2) 怪我の少なさ

 そしてもう一つ怪我人が非常に少なかったこと。いかに選手を多く揃えていても怪我人ばかりでは意味がありません。怪我人を少なくすることがいかに重要かを今季のグラートバッハが示したと思います。では何が良かったのかというと月並みな表現ですが、選手とメディカルチーム、監督とのコミュニケーションが良かったことではないかと思います。今季のグラートバッハは、試合前のメディアのニュースなどを見ると結構多くの選手がどこかに問題があるということで試合の出場を回避しています。しかしそうした危険信号の察知により、疲れた選手がローテーションを使いうまく休養をとることで怪我を未然に回避していたように思います。これもチームが一体となっていたことを示す良い例でしょう。

 以上、まとまりなく思ったことを書きつらねてきましたが、今季のグラートバッハのサッカーはただ勝利するだけではなく純粋に観戦していて楽しく感じました。私は長年応援してきているので私の目では客観的に見ることは不可能なので他チームとの比較でどうこう言うことはできませんが、、少なくてもこの数年のグラートバッハと比較して楽しいのは事実です。楽しいサッカーで結果も手にすることができる。これは理想的な姿です。このような素晴らしいサッカーで楽しませてくれたボルシアの全員に感謝したいです。そして、今こそTV放送などで多く取り上げられたくさんの人に見てほしいなというのが私の正直な気持ちです。来季はCLでその素晴らしさを示してくれたらうれしいです。

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テーマ : ブンデスリーガ(ドイツサッカー) - ジャンル : スポーツ

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