2016.05.28 (Sat)

2015/16シーズンのグラートバッハを振り返る

 ブンデスリーガ 2015/16 シーズンが終了したので、ここで今季のグラートバッハについて簡単に振り返り、試合を見て感じたことを記しておこうと思います。まずは今季のグラートバッハのリーグ戦、カップ戦、CLでの戦績から。

2015/16シーズンのグラートバッハの戦績
 ・ リーグ戦:17勝13敗4分(勝点55) 4位
 ・ DFBポカールは3回戦敗退
 ・ CL: グループステージ敗退

リーグ戦の成績を単純に昨季と比較すると順位は1つ下げて勝点はマイナス11、参考までに得失点は67:50 (昨季は53:26)なので得点が14増えた半面失点はほぼ倍増となっています。DFBポカールは残念ながら3回戦でブレーメンに敗戦。今季のブレーメンは辛うじて1部残留を果たすほど不振を極めたシーズンでもありこの敗戦は残念な結果です。CLはさすがに強敵ぞろいで、しかもユベントス、マンチェスターシティ、セビージャという死のグループに入ってしまった結果、グループステージ敗退は仕方ないと思います。個々の試合を見ればなかなか良い試合もありました。ただ今後グループステージを勝ち進むには選手層の厚さが必要になると感じました。

1. リーグ戦開幕5連敗と監督交代

 リーグ戦の開幕からの5連敗を誰が予想できたでしょうか。昨季までの主力でファヴレのサッカーを体現していたメンバーでもあるクルーゼとクラマーの移籍による穴を埋めきれていないままシーズンに入ったという不安はありましたが、連敗中は確かに失点シーンなど見るとその影響はあったと思います。ただそれだけでは説明しきれない面もありました。
 最近では昨季圧倒的な戦力を誇り名将クロップが率いていたドルトムントがなかなか勝てずリーグ戦前半を17位で折り返すという信じられない不振に陥ったことがありましたが、その例でもわかる通りひとつ歯車が狂うとすべてがうまく回らなくなるものです。今季のグラートバッハにも同じことが起こったのです。この時点で私は本気で今季は残留争いをしなくてはならないと覚悟しました。
 ところが、この厳しい状況でチームを引き受けることになったアンドレ・シューベルト監督は選手の起用を少し変えさらにモチベーションをあげることでこの歯車の狂いを修正しました。特に個人的に評価したいのは使い道がはっきりしていなかったシュティンドルをラファエルのパートナー(クルーゼの後任)として起用したこと、シャカをゲームキャプテンに起用したことです。もともとファヴレのサッカーはチームに浸透しているのですから、チームがうまく動きだせば不振を脱出できるのです。ただそれは簡単なことではありません。チームが大きく崩れる前にうまく軌道修正したシューベルト監督の手腕には良い意味で驚かされました。また、ダフート、クリステンセン、エルフェディなど若い選手を実戦で起用、彼らも期待に応えたことでチーム全体のレベルアップにもつながったと思います。
 
2. 怪我人続出

 昨季とのもう一つの大きな違いは怪我人が多かったことです。これはもう異常といってもよいレベルだったと思います。昨季は非常に怪我人が少なくその要因の一つが現場とメディカルチームとのコミュニケーションが良かったことだと思うのですが、果たして今季はどうだったのでしょうか。もちろん試合中の不運な怪我もあるのですが、選手のコンディションをチェックし疲労の蓄積した選手は休ませるなど怪我を未然に防ぐ措置が取られていたのか私にはわかりません。しかし、原因はしっかりと分析して来季に生かしてほしいと思います。

3. シューベルト監督のスタイルへの移行

(1) 攻撃的戦術と守備面の課題
 
 ファヴレ監督辞任を受けて監督を引き継いだシューベルト暫定監督は当初は選手起用には独自色を出しつつも戦術的にはファヴレ監督の作り上げたスタイルを踏襲していました。しかし、正式監督になったころから独自の色を出すようになりました。特徴的なのは3バックで両サイドハーフは高い位置を保つ非常に攻撃的なフォーメーションを取ったことです。基本は前線からプレスをかけてボールを奪うと人数をかけて早い攻撃を仕掛けるというもの。この形がうまく機能した時のスピード感のある分厚い攻撃は見ていてもわくわくするほど楽しいものでした。このシステムに必要なクオリティを持った選手がチームに揃っていたことも大きかったと思います。
 その反面、守備には脆さが見えました。特に疲れが見えてくる後半、そして失点によりリードを許し集中力が途切れてしまうと守備が崩壊し大量失点につながってしまった試合もありました。失点シーンを見るとDFの個人的なミスが多いですが、これは必ずしもDFに問題があるわけではありません。相手がプレスをかけてきた場合、中盤(特にボランチ)の守備への対応が遅れボールを奪われるとたちまち最終ラインが相手の勢いに晒されることになり慌ててミスをしたりするケースが多かったように思います。この点に関してはファブレ時代にはシャカとクラマーが攻守のバランスを取っていたのですが、シューベルトのシステムではそこに問題があるように見受けれられます。ダフートは素晴らしい選手ですが守備面よりは攻撃面での可能性が大きい選手です。要するに昨季のチームに比較すると攻撃に比重が移りややバランスが崩れてしまったということです。ただ、個人的には多少失点してでも攻撃で勝負するというスタイルは嫌いではありません。もちろん守備を放棄して攻めまくるというのは問題外ですが。
 
(2) アウェイでの弱さ

 今季のグラートバッハの成績をホームゲームとアウェイゲームに分けてみると以下のようになります。

 ・ ホーム   13勝 3敗 1分 勝点40 3位
 ・ アウェイ   4勝10敗 3分 勝点15 12位

 ホームで圧倒的な強さを見せながらアウェイでなかなか勝てなかったということがはっきりわかります。そうなった要因についても前述の守備の弱さと無関係ではないと思います。相手がアグレッシブになるアウェイゲームでこそグラートバッハの守備面での問題点が浮き彫りになってくるからです。攻撃一辺倒ではなく守備のリスクも考慮したバランスのよい戦い方が求められ、それができるようになればアウェイでのパフォーマンスも上がるはずです。この点は来季の大きな課題でしょう。中盤の守備的な選手の補強、あるいは育成が急務だと思います。

4. 総括

 グラートバッハの守備の弱さ、ホームでの弱さから現状の戦い方に不満を感じているファンも少なくないようです。確かに来季CLを戦っていくうえでは不安は感じます。しかし今季は悪夢のような開幕5連敗があったことを忘れてはいけません。そのあとで順位を4位まで巻き返し結果的にCLのプレーオフへの出場権を確保できたことは上出来だと思います。浮き彫りにされた課題は来季に向けて改善していけばよいでしょう。私個人は十分に満足できるシーズンでした。監督、選手を始めとしたチーム関係者の皆さんに感謝です。来季も楽しみにしたいと思います。

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テーマ : ブンデスリーガ(ドイツサッカー) - ジャンル : スポーツ

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